オンライン流体解析ツールCATCFDzeroでバックステップ流れの解析を行った結果と実測値の比較をご紹介します。
本ページの結果は、以下の文献で報告された事例です。
Hebishima, Hana, and Shin-ichi Inage. "A unified turbulence model bridging low and high Reynolds numbers: Integrating shell models with two-scale direct interaction approximation." Chaos, Solitons & Fractals 198 (2025): 116535.
https://doi.org/10.1016/j.chaos.2025.116535
※ここで紹介するデータは、石巻専修大学様よりご提供いただき、許可を得て掲載しています。
バックステップ流れ
バックステップは、ステップによる急拡大を経て上流から下流に流れていく流路形状をしています。

ステップで剥離した流れは下流で再付着し、ステップと再付着点の間で渦を形成します。
計算では以下の形状モデルが用いられます。

計算は乱流粘性を通常のk-εモデルのものから変更したCATCFDzeroのカスタマイズ版を使用して行われました(詳細は上記文献参照)。
解析結果
バックステップを通過する速度と乱流エネルギーの解析結果を示します。

流速の実測値と計算結果の比較です。

点は実測、線は計算結果を表します。緑線は標準の乱流粘性モデル、赤線は文献で提唱されている乱流粘性モデル。ステップの位置をx/H=0とした時の長手方向 x/H=1、5、10での結果。
流束の計算結果は実測とよく一致しています。
次に乱流エネルギーの結果を示します。

乱流エネルギー分布も実測をよく再現しています。
文献では提唱される乱流粘性モデルの優位性について考察されています。詳細は上記文献をご参照ください。
CATCFDzeroの計算結果が実測をよく再現できることが示されました。また今回は乱流粘性モデルを変更するためにカスタマイズしたバージョンで計算を行っています。物理モデルの追加や変更も柔軟に対応できますので、ぜひお問い合わせください。