Canteraで対向流熱交換器をモデル化してみた。
対向流熱交換器は、図のように高温の流体流路に対して向流の流路で冷却をする熱交換器である。
Canteraのプラグフロー反応器と外部との熱伝達の機能を応用して、向流熱交換器をモデル化する。
モデルは、以下のようにプラグフロー反応器を2つ接続したものだ。
プラグフロー反応器の一単位セルの反応器を、もう一つのプラグフロー反応器の同位置のセルと対応させ熱のやり取りを行う。
プラグフロー反応器の場合、上流側から順に解いていく必要がある。対向流の場合、上流側が逆になるため解く順番が異なることに注意が必要だ。そのまま、2本の反応器を接続しただけでは、解く順番が異なるため、うまく計算することができない。そこで、以下のような繰り返し計算の手法を導入する。
① 1本目のプラグフロー反応器を計算する。このとき、2本目のプラグフロー反応器に相当する温度は固定しておく。
② 2本目のプラグフロー反応器を計算する。このとき、①で解いた1本目のプラグフロー反応器の温度を固定して、熱伝達を計算する。
③ 再度1本目のプラグフロー反応器を計算する。このとき、②で解いた2本目の反応器の温度を固定して、熱伝達を計算する。
④ 再度2本目のプラグフロー反応器を計算する。このとき、③で解いた1本目の反応器の温度を固定して、熱伝達を計算する。
⑤ ③④を温度結果が変化しなくなるまで繰り返す。
このモデルを使って計算した結果を示す。2本の1m流路で、高温流体は87℃、低温流体は27℃で流入した場合の温度変化を計算した。
慣れていないとプログラムを作るのは面倒かもしれないが、プログラムの自由度が高いので、いろいろな冷却設備をもつ反応器にも応用できるだろう。