濾過器
流体中に含まれる不純物を取り除く濾過器内の流れをオンライン流体解析CATCFDzeroを用いてシミュレーションした事例をご紹介します。
図1のように、濾過器の下から不純物を含む水が流入し、4層のフィルターを通過し、装置の上部から排出されます。各フィルターを通過する間に不純物が濾過されます。

フィルターはスポンジ状のものや球形状の物体が充填されたものなど様々な濾材がありますが、解析では多孔質媒体(ポーラスメディア)の機能を使用して計算を行います。
多孔質媒体では実際に空いた無数の穴の流れを忠実に計算するのではなく、圧力損失を運動量ソースを与えることでモデル化しています。
CATCFDzeroではDarcy-Forchheimer則の流動抵抗を与えることができます。
$$S=-(\mu K_v+0.5 \rho |U| K_i) U \tag{1}$$
$S$:運動量ソース、$\mu$:粘性係数、$\rho$:密度、$U$:速度、$K_v$ :粘性項の係数、$K_i$:慣性項の係数
今回は各フィルターで異なる粘性抵抗の係数$K_v$を図1に示すように与えました。
また、不純物の吸着を把握するため、下の入口から不純物が1として流入すると仮定し、各フィルターで異なる吸着量$S$を与えています。これは拡散物質の機能を使い、吸着量はソース項に設定します。
※今回は4層フィルターのため有償オプションの機能を使用しています。
シミュレーション結果
結果として速度ベクトル、流線を示します。


濾過器の下側はフィルターがなく流入してきた流れが左端まで到達して、その影響もあり最下層のフィルターでは流れに偏りがあることがわかります。その後は整流されて流れています。
次に圧力を示します。

各フィルターでどの程度の圧力損失があるかを把握することができます。
最後に不純物濃度を示します。

不純物はフィルターを通過するにつれ吸着され、濃度が低下しています。ただし、下層のフィルターで流れに偏りがあるため、濃度低下に分布があることがわかります。
おわりに
今回は濾過器内の流れおよび不純物除去の様子を解析した事例を紹介しました。
CATCFDzeroを使うと、濾材違いを抵抗係数や吸着量のパラメータを変更することですぐに検証できたり、排出位置や吸入位置を変更することで簡単に設計検討を行うことができます。ぜひ業務にご活用ください。