チュートリアル7 ダクト内の拡散物質混合解析

オンライン流体解析CATCFDzeroのチュートリアルです。ダクト内の拡散物質の拡散混合シミュレーションを行います。

解析概要

計算対象は、図のようなダクトで、左上の2つの入口から空気が流入し、右下の出口から流出します。入口2からの流れは拡散物質を含んでおり、ダクトを流れる間に拡散物質が拡散していく様子を観察します。

モデル

解析条件

  • 物性:空気
  • 入口1:流入速度 1.0 m/s、拡散物質濃度 0
  • 入口2:流入速度 1.0 m/s、拡散物質濃度 1
  • 出口:圧力 0 Pa
  • 乱流
  • 拡散物質

解析モデル

ダクトは径0.2mでS字に曲がっています。流路以外の箇所はブロックでモデル化します。

解析設定

物性の設定

[物性]メニューを開き、物性は空気を選択します。乱流と拡散物質のスイッチを入れます。

物性

領域の設定

[領域]メニューで、領域のサイズ[m]を入力します。横方向Lxに「1.0」 、縦方向Lyに「1.0」 を入力します。

領域設定

境界条件の設定

[境界条件]メニューを開き、境界条件を設定していきます。

境界条件設定

入口1

No.1に入口1の流入条件を設定します。条件は「流入」、面は「左端」、Lminは「0.8」、Lmaxは「0.9」、値(流入速度)は「 1」m/s、拡散物質濃度は「0」を入力します。入力したら[適用]ボタンを押してください。

入口2

No.2に入口2の流入条件を設定します。条件は「流入」、面は「左端」、Lminは「0.9」、Lmaxは「1」、値(流入速度)は「 1」m/s、拡散物質濃度は「1」を入力します。入力したら[適用]ボタンを押します。

Tips:拡散物質は流れに影響を与えない(パッシブスカラー)として計算されます。したがって、濃度の単位は特に規定されていません。ここでは、拡散物質濃度が1であれば100%で流入、濃度が0であれば拡散物質の流入がない0%と考えてください。

出口

No.3に出口の流出条件を設定します。「+」ボタンで境界を追加し、条件は「圧力」、面は「右端」、Lminは「0」、Lmaxは「0.2」、値(圧力)は「 0」Pa、濃度は「0」を入力します。入力したら[適用]ボタンで確定します。

ブロックの設定

次に[ブロック]メニューを開き、流路以外の部分を作成します。

[]ボタンを押して、No1のブロックを追加します。

No.1にブロックのX方向の最小値(Xmin)「0」、最大値(Xmax)「0.8」、Y方向の最小値(Ymin)「0.6」、最大値(Ymax)「0.8」を入力します。入力したら、[適用]ボタンを押してください。

ブロック設定

No.2も作成して入力します。

No.2:Xmin「0.2」、Xmax「1」、Ymin「0.2」、Ymax「0.4

すべて設定すると、次のような境界表示になります。

境界表示

詳細設定

メッシュ設定

[詳細設定] メニューの[メッシュ]を開きます。

メッシュ解像度を上げるため、[高解像度]ボタンを押します。メッシュのセル数が「自動(細かい)」に設定されます。

メッシュ設定

緩和係数の設定

[詳細設定] メニューの[緩和係数]を開きます。

計算を安定に進めるため[安定化]ボタンを押します。速度、乱流の緩和係数が0.5に、圧力の緩和係数が0.1に下がります。

緩和係数

以上で解析設定は終了です。

計算実行

設定が終了したら、[計算実行]ボタンを押します。

計算実行ボタン

計算が開始され、計算中は「CALCULATING...」と表示されます。また、ボタン横のボックスに「計算中:**イタレーション **%」と現在の反復回数が表示されます。

計算が収束し終了すると、「計算終了:収束しました。」と表示されます。

結果の確認

結果表示

計算が終了すると、表示エリアの[結果表示]タブに計算結果が表示されます。最初は「速度ベクトル」が表示されます。

速度ベクトル

次に、右サイドにある「拡散物質濃度」ボタンを押します。

濃度コンター

入口2から流入した拡散物質は、ダクトを流れるにしたがって拡散して混合され出口付近では、濃度0.5程度になっていることがわかります。

[粒子トレース]にチェックを入れ、再び「拡散物質濃度」ボタンを押します。

濃度コンター

流れがアニメーションで表示され、流動しながら混合していく様子がイメージしやすくなります。


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