チュートリアル1 容器内熱流れ解析

オンライン流体解析CATCFDzeroのチュートリアルです。

解析概要

図のような容器内の流れ場と温度を解析します。

容器内熱流れ解析のモデル

左端のパイプから空気が流入し、右端のパイプから流出します。容器内には高温の物体があります。

境界条件

  • 流入:速度 0.1 m/s 、温度 20℃
  • 流出:圧力 0 Pa
  • 高温物体の壁:温度固定 100 ℃
  • その他の壁:断熱

解析モデル

流路を模擬するため、下図のようにブロックを5個配置します。境界条件は左端に流入、右端に圧力条件を定義します。

容器内熱流れ解析の境界条件

解析設定

物性の設定

[物性]メニューを開き、物性は空気を選択します。

物性値の設定

流れは、流速が小さいので層流とします。乱流のスイッチはOFFのままにしておきます。温度計算を行うため、温度のスイッチはONにします。

領域の設定

[領域]メニューで、領域のサイズ[m]を入力します。横方向Lxに 1 、縦方向Lyに 0.6 を入力します。

領域サイズの設定

境界条件の設定

[境界条件]タブを開き、境界条件を設定していきます。

標準条件

No.0の条件は標準の条件で、No.1以降で設定していない全ての面の条件となります。ここでは、断熱の壁条件のため、デフォルトのままとします。なお、断熱は、熱流束が0の条件です。

流入条件

No.1に流入条件を設定します。条件は「流入」、面は「左端」、Lmin 「0.4」、Lmax 「0.5」、値(流入速度)は「 0.1」m/s、温度は 「20」℃ を入力します。入力したら[適用]ボタンで確定します。

境界条件の設定

流出条件

No.2に流出のための圧力条件を設定します。条件「圧力」、面「右端」、Lmin 「0.1」、Lmax「0.2」、値(圧力)「0.0」Pa、温度 「20」℃を入力します。圧力条件の温度は逆流時の流入温度になります。入力したら[適用]ボタンで確定します。

境界条件の設定2

※[適用]ボタンを押すと、表示領域の[結果表示]タブに境界の位置が出力されます。

ブロックの設定

次に[ブロック]メニューを開き、ブロックを5個設定します。

ブロックの設定

ブロックは「」ボタンで追加します。「」ボタンで削除できます。

図面で、各ブロックのX方向の最小値(Xmin)、最大値(Xmax)、Y方向の最小値(Ymin)、最大値(Ymax)を確認し、それぞれ入力していきます。

温度条件も指定します。ここでは、最後のブロックが容器内の物体で、温度固定としています。温度条件を「固定」とし、「100」℃を入力します。それ以外のブロックは、断熱のため「熱流束」で 「0.0」 (デフォルト)のままとします。

5つのブロックの設定は以下のとおりです。

No.XminXmaxYminYmax条件温度
10.00.20.00.4熱流束 0.0
20.00.20.50.6熱流束 0.0
30.810.00.1熱流束 0.0
40.810.20.6熱流束 0.0
50.40.60.10.5固定 100

入力したら[適用]ボタンで確定してください。確定すると、表示領域の[結果表示]タブにブロックが出力されます。

チュートリアル1の形状

詳細設定

今回は、セルサイズを細かくして解像度を上げ、モニター位置を出口に指定することにします。

[詳細設定] メニューを開きます。

メッシュ

リストから[メッシュ]を選択し、セル数を「自動(細かい)」に設定します。これで領域の長手方向が100メッシュになるように自動で分割されます。

メッシュの設定

モニター

次にモニター位置を出口の中央に指定します。リストから[モニター]を選択し、モニターを「指定」に設定します。xに「1」、yに「0.15」を入力します。

モニターの設定

以上で解析設定は終了です。

計算実行

設定が終了したら、[計算実行]ボタンを押します。

計算実行ボタン

すると計算が開始され、計算中は「CALCULATING...」と表示されます。また、ボタン横のボックスに「計算中:**イタレーション **%」と現在の反復回数と進捗状況が表示されます。

計算が収束し終了すると、「計算終了:収束しました。」と表示されます。

結果の確認

結果図の確認

計算が終了すると、表示エリアの[結果表示]タブに計算結果が表示されます。最初は「速度ベクトル」が表示されます。

速度ベクトル

右サイドの各ボタンで見たい表示に変更します。

速度ベクトルの表示を変更してみます。[表示オプション]ボタンを押すと設定パネルが開きます。

CATCFDzero表示オプション

速度ベクトルのを[多い]に変更し、「再表示」ボタンを押してください。ベクトルの本数が多くなります。

速度ベクトル2

※ベクトル数が[少ない]場合ベクトルは間引かれて表示されますが、[多い]にすると全てのセルでベクトルが表示されます。

流線」にチェックを入れてコンターを表示すると、コンター図に流線が同時にプロットされます。

流線

グラフの確認

[グラフ]タブに計算中のグラフが表示されます。これで、収束状況を確認します。

モニター:モニター点の各変数の履歴。
残差:残差履歴。

モニターグラフ

残差グラフ

モニターの値も安定し、残差も下がって収束しています。

計算中の情報出力

計算中の情報やエラーメッセージ、モニター点の値などは、[出力]タブに出力されます。

出力タブ

この出力例では、計算は反復回数 Iter = 256 で収束しています。

モニター点(出口中央)の値はだいたい、速度 0.14 m/s、圧力 0 Pa になっています。また、温度は 34.9 ℃ であることがわかります。

さらに、各境界(Boundary)と各ブロック(Block)の質量流量(Mass Flux) [kg/s] と移動熱量(Heat Tran) [W] の情報も出力されています。 

※数値の細かい値はバージョンやお使いのブラウザにより若干違いがある場合があります。

設定の保存

[ファイル]メニューで、[設定の保存]ボタンを押すと計算条件をファイルに保存できます。ファイルは、ダウンロードフォルダーに「catcfd_zero.xml」の名前で保存されます。

CATCFDzeroファイルメニュー

※保存したファイルは、同じ[ファイル]メニューの[設定の読込]から読み込んで、設定を復元することができます。ファイルは、設定エリアにドラッグアンドドロップしても読み込めます。

操作動画

【CATCFDzero】チュートリアル1~CATCFDzeroの使い方

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